【特殊清掃の現場でウジ虫が発生する原因】孤独死現場で虫やハエが発生する理由や清掃方法

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孤独死の特殊清掃の現場でウジ虫が発生する理由について

特殊清掃現場でウジ虫が発生する理由について  

理由1・ウジ虫は汚物や腐敗したもの(遺体)に発生する

ウジ虫は汚物や腐敗した食品、動物の死骸や排泄物などに発生します。 ウジ虫とは、ハエの幼虫です。 成虫であるハエが汚物や腐敗した食品、動物の死骸などに卵を産みつけます。 ヒトのご遺体も例外ではありません。 ハエは、たんぱく源の摂取のために腐敗した食品や動物の死骸、排泄物を食べます。 そして、ハエは餌のある場所に卵を大量に産み付け、ウジ虫が発生します。 ウジ虫も汚物や腐敗したものから栄養を摂取し成長します。 締め切っている部屋で、生ごみにハエがたかっていることがありませんか? ウジ虫は不衛生な状態の部屋にも発生します。 生ごみや腐敗した食品を放置していると、どこからともなく臭いを嗅ぎ付けハエが入り込み、卵を産みつけるためです。 家の主が孤独死をして、発見まで時間がかかると、ご遺体や放置されたごみや食品が腐敗しハエが集まり、ウジ虫が発生する原因になります。  

ウジ虫はハエの幼虫

白く小さいイモムシのようなウジ虫はハエの幼虫です。 成虫のハエが汚物や腐敗した食品、動物の死骸や排泄物に産みつけた卵が、孵化するまでの時間は半日から数日。 1週間ほどウジ虫として活動したあと、さなぎになり4、5日で成虫のハエになります。 成虫になり1日過ぎたころには、卵を産むことができます。 ハエの寿命は一般的に約1ヶ月です。 その間に産む卵の数は約500個です。 約2週間のサイクルで、想像もしたくないほどにウジ虫とハエが発生します。  

ハエは1回で100ほど産卵するため短期間で大量のウジ虫やハエが発生してしまう

ハエの種類によっては、卵ではなく幼虫を産む種もいますが、ハエは1回の産卵でおよそ100の卵を産みます。 約1ヶ月の間に5回ほど産卵をするので、1ヶ月放置すると500のウジ虫が発生してしまいます。 産み付けられたハエの卵が産卵できる成虫になるまで、約2週間です。 単純に1が500に増えるのではなく、短期間で瞬く間に大量のウジ虫やハエが発生するということになります。 環境や気温、湿度によってはさらに早いスピードで大量発生します。  

理由2・ハエは汚物や腐敗したもの(遺体)に卵を産みつける

ウジ虫が成長しハエになると、汚物や腐敗したもの(遺体)、生ごみ、動物の死骸などに卵を産みつけます。 ハエは、たんぱく源を摂取するために腐敗物質や排泄物を餌にする食性があります。 餌のあるところに卵を産みつけ、ハエの幼虫のウジ虫もその餌を食べ育ちます。 生ごみ臭や腐敗臭、死臭などを嗅ぎつけ、ほんの小さな隙間からもハエが入り込みます。 孤独死が発見されず長く放置されると、ヒトのご遺体も傷みます。 人間が気づくよりも早くハエが異臭に気づき、傷みはじめたご遺体にも、ハエは卵を産みつけます。 ご遺体や腐敗した食品、汚物などにハエが卵を産み、ウジ虫が湧くことで、さらにご遺体の腐敗を早め、人間が気づくほどの異臭が発生することになります。  

孤独死が発見されるまでの平均日数は約17日

孤独死発生から発見されるまで、平均約17日かかると言われています。 実際は3日以内に発見される場合が4割程度で、15日以上経って発見されるケースが3割以上です。 ハエの卵が孵化し、ウジ虫が成虫になるまで、約2週間です。 ウジ虫とハエが大量に発生し、部屋を埋め尽くすことになる前に発見しなければ、手に負えない状態になってしまいます。 ご遺体を早く発見し、お弔いしなければなりません。 ウジ虫とハエの大量発生を防ぐためにも、早期発見の必要があります。  

孤独死を発見したら早急に特殊清掃をする必要がある

孤独死が発見されたら、特殊清掃が必要になります。 腐敗臭を消す知識や技術を持ち、ご遺体から染み出た体液や血液の清掃までできるのが特殊清掃です。 ご遺体やご遺体から染み出た体液や血液、腐敗したごみにハエなどの害虫が集まります。 害虫はご遺体の腐敗を早めるだけでなく、感染症を媒介する危険があり、防護服を着て作業をすることが必須です。 孤独死の発見に時間がかかるほど、大量の害虫が発生してしまいます。 ご遺体の腐敗が進み、ウジ虫やハエ、ゴキブリなどの繁殖力の高い害虫の大量発生を防ぐために、早急に特殊清掃をしなければなりません。  

 

関連ページ:【孤独死現場の清掃】特殊清掃の流れや専門業者の選び方

 

ハエは寒さに弱いため夏の方が発生しやすい

季節によって、ハエやウジ虫の成長の速さや活動量に差があります。 ハエが最も活発に活動する時期は、6月から7月、9月から10月頃です。 気温が25度前後になると活発になります。 気温が25度から30度ぐらいになると、幼虫期間とさなぎ期間が短縮され、卵から成虫になるまでの成長サイクルが速くなります。 気温が20度の時と比べて、1週間ほど短縮されます。 ハエは一般的に寒い季節は卵やさなぎの状態のまま過ごし、活動しません。 そのため、寒い季節より夏の方がハエが発生しやすくなるのです。  

理由3・ハエはわずかな隙間からでも侵入できる

排水溝、室外機などの隙間から家に侵入する

ハエはわずかな隙間から家に侵入してきます。 出入り口の扉や窓を締め切っていても、いつの間にか家の中でハエが飛んでいることがあります。 ハエは下水や排水溝など暗く不衛生な場所にも生息しています。 排水溝から、キッチンや浴室の排水口、洗濯機の排水口などのわずかな隙間をくぐり抜け侵入します。 エアコンの室外機からドレンパイプを通って入り込むこともあります。 キッチンやトイレの換気扇や、中途半端に開けた窓と網戸の隙間からも侵入できます。 本来はハエなどの害虫が侵入できない構造になっている排水口やエアコンの室外機も、経年劣化などにともない隙間ができてしまいます。 屋外と繋がっているところは、わずかな隙間でもハエの通り道になります。    

 

関連ページ:【孤独死があった部屋の遺品整理】特殊清掃の手順や遺品整理をするときの注意点

 

 

ウジ虫が発生した特殊清掃の現場の清掃方法について

 

清掃方法1・窓やドアは完全に閉めて作業をしましょう

孤独死や自ら命を絶った方のご遺体が発見された現場は、特殊清掃が必要になります。 ウジ虫が発生している場合、ご遺体の腐敗がすすみ体液が床に染み、死臭が発生していることが予想できます。 腐敗した体液は、生ごみなどとは比べものにならないほど強烈なにおいです。 換気をして作業を行ないたいところですが、死臭や害虫が外に出ないよう窓やドアは完全に閉めて作業をしなければなりません。 不用意に窓やドアを開けると、強烈な死臭が近隣に広がり迷惑がかかります。 大量に発生したハエなどの害虫が、外に放たれることを防がなければなりません。 近隣に感染症を運んでしまうリスクがあるだけでなく、近隣の住民の目に触れることで、大きな不快感を与えてしまいます。 必ず窓やドアは完全に閉めて作業をしましょう。  

悪臭・死臭により近隣住民に迷惑がかかる

ご遺体の発見が遅れた部屋では、かなり強烈な悪臭が発生しています。 ごみや食品の腐敗臭などの悪臭だけでなく、ご遺体の腐敗がすすみ体液が染みだし死臭が発生します。 死臭は強烈なにおいのため、近隣の住宅が窓を開けているとカーテンなどににおいが染みつくことも考えられます。 タバコの煙のにおいや、近所の洗濯ものの柔軟剤の香り、芳香剤を不快に感じてトラブルになることがあります。 トラブルを防ぐためにも、近隣住民に配慮が必要です。  

ウジ虫やハエが近隣の住居に侵入する恐れがある

ウジ虫やハエが短期間で大量発生することは前述しました。 わずかな隙間からでも入り込むハエです。 窓を開けなくても外に出て隣室や近所を飛び回り、入り込む恐れがあります。 ウジ虫やハエが発生した清掃現場の窓やドアを開けると、ハエが大量に拡散され、近隣住民の気分を不快にさせ精神的に苦痛を与えます。 ハエは感染症を媒介するため、衛生面でもトラブルを招く原因になります。 窓やドアを必ず閉めて作業することで、ウジ虫やハエが拡散されることを防ぐ必要があります。  

特殊清掃の手順や流れ

手順1・消毒剤の噴霧(感染症の予防)

ウジ虫やハエなどの害虫は細菌やウイルスなどの病原菌を付けて動くので、特殊清掃の現場には感染症のリスクがあります。 O-157感染症や結核など、重篤な感染症を引き起こすリスクです。 そのため、特殊清掃の手順としては、まず消毒剤の噴霧をします。 消毒剤は、強力な殺菌作用と消臭作用のある二酸化塩素などが使われます。 強烈な死臭の消臭にも作用します。 感染症の予防対策として、防護服、ゴーグル、マスク、手袋、シューズカバーの着用は必須です。  

手順2・遺品整理

一定の消毒と消臭ができたら、室内の遺品整理をします。 場合によっては遺族が立ち会うことがあるため、安心して入れる状態でなければなりません。 ウジ虫やハエはわずかな隙間にも入り込んでいることが予想できます。 汚染されたものに注意しながら、慎重に遺品整理の作業をします。 貴重品や重要書類などを探しながら遺品整理をします。 必要なものと不要な家具や家財を仕分け、不用品を処分していきます。 汚染された家具や家財の処分の方法には、専門の知識が必要です。  

手順3・特殊清掃、殺菌

ご遺体の発見に時間がかかった場合、ご遺体の腐敗が始まり、体液や血液が染み出てご遺体の周りが汚染されています。 体液や血液が付着した寝具やカーペットを、においが漏れないよう密封して処分します。 ハエなどの害虫によって、壁にも体液や汚物が付着しています。 壁や床、畳の汚染された箇所を清掃・殺菌をして完全に取り除くためには特殊な薬剤の使用が必要です。 清掃、殺菌を怠ると、再びウジ虫が湧いてしまうため、徹底的に汚染されているものを取り除きます。  

手順4・汚染が床下まで及んでいる倍は解体やリフォームなど

床の汚染が床下まで及んでいる場合や、壁に汚染がしみ込んでいる場合などは、表面を清掃しただけでは悪臭がよみがえってきます。 汚染された箇所のフローリングや畳をはがし、解体しリフォームをする必要があります。 汚染が床下まで及ぶと死臭や腐敗臭がこもり、しみ付いてしまうからです。 壁紙はにおいを吸収しやすい性質のものが多いため、張り替えます。 壁の汚染がしみ込んでいるときは、壁紙の下、壁自体を解体しリフォームします。 浴室が汚染されている場合は、浴槽と洗い場、配管、排水溝までリフォームし、衛生面で問題がない状態に戻さなければいけません。  

手順5・脱臭、オゾン消臭

消毒、清掃、遺品整理、リフォームの作業が完了したら、完全に消臭をするための作業をします。 オゾン消臭機を使い、においの成分を除去し脱臭する仕上げの作業です。 オゾンを使った消臭は空気清浄機と違い、におい成分を分解し浄化します。 においの原因を取り除くことができ、除菌にも効果があるため、特殊清掃には欠かせません。 念のため、オゾン消臭後、数日あけて脱臭が確実にできているか、におい戻りがないかを確認しましょう。    

孤独死による特殊清掃の現場を悪化させない対処法について

 

対処法1・ご遺体の発見後は迅速に原状回復をする

孤独死のご遺体発見後は、時間が経過するほど部屋の状況が悪化するため、迅速に原状回復をする必要があります。 孤独死が発見された場合は、警察が現場検証をするため、許可されるまで室内に入ることはできません。 警察の許可がでたら特殊清掃に取り掛かります。 ご遺体から染み出た体液や血液が適切に処理されていないと、ウジ虫やハエが発生します。 ウジ虫やハエの被害を拡大しないために、早急に消毒、清掃、処理が必要です。 専門の知識、技術をもって、迅速に対応する特殊清掃の専門業者に依頼することをおすすめします。 ご遺体から染み出た体液や血液が残されていると、悪臭が染みついてしまいます。 強烈な悪臭や害虫の発生で近隣の住民に迷惑がかかることを防ぐため、迅速に原状回復をする必要があります。  

対処法2・ウジ虫やハエや食品や生ごみからも発生するので処理をしておく

特殊清掃の現場を悪化させないために、ウジ虫やハエの発生を防ぐ必要があります。 そのため、体液や血液などの汚染を迅速に取り除きます。 ウジ虫やハエは、腐敗した食品や生ごみからも発生します。 特殊清掃の現場に残っている野菜や果物、冷蔵庫の中の食品、生ごみ、食べ残しなどは、なるべく早く処理しなければなりません。 ビールやジュースなど、においのある飲みものにもハエは集まります。飲み残しや空き缶にも注意が必要です。 気温の高い時期は、食品や野菜、果物の傷みがはやくなり腐りやすくなります。 ウジ虫やハエの活動も活発になり、大量発生しやすくなるため、適切に食品や生ごみの処理をしなければなりません。 ウジ虫やハエの発生を防ぐことは、そのほかの害虫やねずみなどの害獣の侵入を防ぐためにも必要です。      

孤独死の特殊清掃現場でウジ虫やハエが発生する理由と対処法のまとめ

孤独死のご遺体が発見された現場には、ウジ虫が湧きハエが大量発生していることが少なくありません。 ヒトのご遺体は、放置され傷み始めると死臭を発します。 ハエはそのにおいをたどって、わずかな隙間から侵入してきます。 ハエはたんぱく源を腐敗したものや汚物から摂取する食性があるため、腐敗したご遺体や染み出た体液、血液がハエの餌となります。 ウジ虫はハエの幼虫です。 ハエは繁殖力が強く、約2週間で卵から成虫になり瞬く間に大量のハエとウジ虫が発生します。 孤独死の特殊清掃では、感染症の対策として消毒をし、ハエが好む悪臭の元を徹底的に清掃、消臭、脱臭します。 孤独死の現場は時間が経てば経つほど、においや害虫の状況が悪化します。 ご遺体の発見から迅速に特殊清掃を完了し、原状回復をする必要があります。

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