孤独死とは?近年、孤独死が増えている理由について
孤独死とは?
孤独死とは、名前の通りに誰にも看取られることなく1人で孤独に亡くなることを指します。1人暮らしの方が、自宅で誰にも助けを求めることなく亡くなってしまう場合が多く周囲が死に気づくまでに時間がかかってしまうケースも多く見られます。また孤独死は、誰にも看取られることなく住居内で亡くなることを指す言葉なので、死因は関係ありません。眠るように老衰で亡くなる方もいれば、心臓発作や脳梗塞など突発性の症状が原因で孤独死する方もいます。実際に孤独死する方として特に多いのが、1人暮らしの高齢者です。親族が周辺に住んでいなくて、仕事は定年退職している、近所の人との関わりが最小限などの方が孤独死するリスクがあります。慢性疾患を持っているという方は、急な症状の悪化で孤独死するリスクもあるという点を理解しておきましょう。
近年、孤独死が増えている理由1・地域住民との繋がりが希薄になっている
隣近所に住む人であっても、顔や名前を知らない、話しても挨拶程度のみという方も増えてきています。以前であれば自治会への加入や町内会の行事など、近所同士で顔を合わせる機会が多くありました。しかし最近では、個人情報を守る意識が強くなったことやマンションで暮らしている方が増えたなどの影響によって、地域住民とのつながりが希薄になっています。近所付き合いが減ることで、1人暮らしの方の中には1日誰とも会話をせずに過ごしているという方も見られます。そして近所付き合いがないと近所に頼れる方もいないので、体調を崩してしまったとき誰にも気づいてもらうことができません。急な発作などで具合が悪くなったとき誰にも気づいてもらえないことで、孤独死につながってしまうリスクがあります。
近年、孤独死が増えている理由2・生涯未婚者が増えている
結婚して家にパートナーがいる状態であれば、急に具合が悪くなってもパートナーにすぐ気づいてもらえます。しかし生涯未婚者が増えている現代社会では、一緒に暮らすパートナーがいないため、誰にも気づかれず亡くなるリスクが高くなります。一生独身で暮らすとしても、若いころは仕事などで人との関わりも多いことで、結婚しないことに対して抵抗はないでしょう。しかし年齢を重ねるとともに、独身かつ1人暮らしという場合には、病気やケガをしてしまったときのリスクが高いので注意が必要です。一緒に住んでいる人がいれば、すぐに気づいてもらって救急車を呼んでもらうなどの対応がしてもらえます。独身で1人暮らしの場合、見守りサービスの利用などの検討も必要です。
近年、孤独死が増えている理由3・経済的に困窮し必要な治療が受けられない
経済的困窮も、孤独死が増えている原因の1つです。病気やケガで治療を受けたいと思っても、お金がない状態だと我慢すればいいと思って病院に行くのをためらってしまう方がいます。しかし少しの腹痛や頭痛だから我慢すれば大丈夫と思っている症状が、大きな病気の前兆かもしれません。何らかの前兆に気づかないことで、早期治療が受けられずに自宅で病死する場合もあります。病院に行くのをためらってしまう経済的困窮といっても、勤め先の倒産でお金がない方もいれば、何らかの原因の借金で経済的に苦しい思いをしている方もいます。本当にお金がなくて困っているなら、生活保護の利用も含めて打開策を検討し、体調に応じて必要な治療を受けられる環境を整えることも大切です。
近年、孤独死が増えている理由4・家族と離れて暮らす独居高齢者の増加
結婚して子供もいる場合であっても、パートナーに先立たれて、家族とも離れて暮らしている独居高齢者も増えています。独居高齢者が増えていることも、孤独視が増えている原因の1つです。遠方で1人暮らしをしている親が孤独死しないか心配という場合には、定期的な連絡を心がけましょう。1日1回などのペースで連絡することで、連絡が取れない日には何かあったと判断して適切な対処ができるかもしれません。また孤独死が心配な場合、1人暮らしではなく、老人ホームやサ高住の利用を検討するのも1つの手です。住み慣れた家で暮らし続けたい場合、見守りサービスの利用や高齢者支援サービスなどを活用して、定期的に誰かが自宅を訪問する環境を整えることで孤独死を防ぐことも可能です。
孤独死が発見されるきっかけは?孤独死を発見したらどうなる?発見後の対応
孤独死が発見されるきっかけ/腐敗臭などで近隣住民が気付くことが多い
誰にも気づかれずに亡くなる孤独死は、死後数日発見されないケースも多く見られます。実際に孤独死が発見されるきっかけとして多いのが、近隣住民が腐敗臭を感じることです。腐敗臭を感じた近隣住民が警察や建物の管理者などに通報することで、遺体が発見されることもあります。また連絡がないことを不審に思い、家族や知人などが自宅に訪れてみると、すでに亡くなっていたという発見例もあげられます。腐敗臭は残りやすいので、孤独死を防ぎ早めに発見してもらえる環境を整えることも必要です。
孤独死を発見後の対応1・亡くなっているか判断できない場合は救急車を要請しましょう
自宅で倒れている人を発見したものの、亡くなっているのか判断できない場合もあるかもしれません。発見時には倒れたばかりで、病院で適切に対処してもらえば助かる可能性もあります。そこで亡くなっているか判断できない場合は、救急車を要請しましょう。発見してすぐに救急車を呼ぶことで、駆け付けた救急隊員に適切な対応をしてもらうことが可能です。体が温かいものの心臓が動いていないなどの状況であれば、近くにAEDがないか探してみましょう。
孤独死を発見後の対応2・明らかなに亡くなっている場合は警察に通報しましょう
腐敗臭がする状況ではなくても、すでに体が冷たくなっているなど明らかに亡くなっている状態で発見する場合もあります。明らかに亡くなっている状態であれば、救急車を呼ぶ必要はないため、まずは警察に通報しましょう。警察到着後に発見時の状態を詳しく聞かれることもありますが、事件性がないと判断してもらえれば面倒なことに巻き込まれる心配もありません。見つけて放置していると腐敗臭がするようになる、死体遺棄を疑われるなどのトラブルに発展するリスクもあるため、すぐに警察へ連絡することが大切です。
孤独死を発見後の対応3・警察から遺族に連絡をする
近所に住んでいる方の孤独死を発見した場合、警察だけではなく遺族への連絡も必要だと考える方もいるでしょう。ですが近所付き合いが減っている現代社会では、隣の家の人の親族の連絡先は知らないという方がほとんどです。そのため遺体を発見したとしても、連絡先がわからなければ、発見者が遺族に連絡する必要はありません。警察から遺族に連絡してもらえるので、警察が到着したら連絡などの後処理はすべて任せましょう。後日遺族から発見したことに対するお礼などの連絡が入ることもあります。
孤独死を発見後の対応4・遺族が遺体を引き取り場合は遺族により葬儀や遺品整理が行われる
孤独死を発見後、警察から連絡を受けた遺族が遺体を引き取ります。そして遺体を引き取った後、遺族によって葬儀や遺品整理などの手続きが行われます。亡くなった方の自宅で葬儀をするなどの場合には、近所付き合いで参列が必要な場合もあるかもしれません。ですが関係が希薄だった場合には、葬儀が行われても無理に参列する必要はありません。遺品整理で遺族が亡くなった方の自宅に出入りする、遺品整理の業者が訪れることもありますが、故人と親しくない発見者であれば、発見後に対応が求められるケースは少なくなっています。
孤独死を発見後の対応5・火葬
孤独死において注意が必要な点の1つが、亡くなってから数日経過したタイミングで発見されるケースも多いという点です。死後数日の状態で発見されると、腐敗臭がするようになるなどの理由で、遺体の状態が悪い可能性もあります。状態が悪いまま長く保管するのは難しいので、発見後すぐに葬儀が行われて、そのまま火葬される場合がほとんどです。親戚が多くいるところで葬儀をするのではなく、火葬から葬儀は亡くなった場所の近くで行われる場合が多くなっています。火葬後は遺族がお骨を引き取って、お墓に納骨して供養します。
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孤独死の処理や葬儀までの流れについて
遺族が葬儀を行う場合は一般的な葬儀の流れと同じ
孤独死が確認されると警察から血縁関係が近い順に遺族に連絡がきます。 そして故人に遺族が確認され引き取りを受けますと葬儀・火葬を行うことができます。喪主を立てて葬儀を行うことは可能です。この流れは一般的な葬式と大きく変わることはないです。しかし遺族を引き受けた引き受けないなどの揉め事、故人に財産が存在していた場合の金銭トラブルなど後々になるとややこしい問題に変わるかもしれませんで注意する必要があります。
遺体を引き取る遺族がいない場合は地元自治体が火葬を行う
引き取り手がいなかったり身元不明で詳細が確認できなかった場合は「行旅病人及び行旅死亡人取扱法」という法律が適用され地方自治体が火葬を行います。遺骨も身寄りがない場合は保管期間を経て「無縁塚」に埋葬されます。遺族がいるものの引き取りを拒否された場合もこちらに該当します。?孤独死の場合、遺族が見つからない、遺族が見つかっても引き取りを拒否されることがありますのでこのように地方自治体が行うことがあるでしょう。
行旅病人及行旅死亡人取扱法とは?
明治32年3月28日法律第93号が法令番号となっております。 長い法律名でよくわからないと思いますが簡単に説明しますともし住んでいる場所じゃない違う場所で病気になった、もしくは死亡した場合にに適用される法律のことを指しています。病気した、死亡したがその現場だった場合、その市町村は救護活動を行えることがでいます。これは旅行者などがイメージつきやすいのですが孤独死も全く別の地域とかで発生しますとこちらに該当する可能性もあります。?
遺骨の引き取り手がいない場合は無縁塚に埋葬される
遺骨を引き取ってくれる遺族がいない、もしくは引き取りを拒否された場合、まず遺骨は地方自治体で一定期間、保管されます。その後無縁仏として無縁塚に合同で埋葬されます。このタイミングで遺族の存在を確認しても遺骨を取り出すことは不可能になります。ですので孤独死でも引き取り手がいなかったり拒否され身寄りがいなければこのように埋葬されることになります。 ちなみに遺骨の保管期間は自治体にもよりますが大体5年程度とされています。
火葬などは自治体の費用で行われる/法定相続人や扶養義務者に請求する
身寄りのいない遺骨の葬儀費用はは自治体が負担して行います。そこに故人に財産が存在していた場合、そちらから支払いに引かれる可能性もあります。ない場合ですと、自治体の支払いになります。 法定相続人や扶養義務者となる人が費用を請求されることもありますが自分や故人にお金がなかったりするととても困ります。 その際に、 ・健康保険の埋葬費給付制度 ・総裁扶助制度 などの制度を使用することをおすすめします。金額は各自治体によって様々なので確認しとくといいかもしれません。?
孤独死の処理/亡くなったあとの遺品整理や部屋の片付けなど
孤独死の処理1・亡くなってから日が経っていない場合は家族だけで清掃を行う
故人を引き受けた後、葬儀以外で必ず済ませなければならないことの一つとして「遺品整理」が挙げられます。 この遺品整理は「遺族が部屋に入れない」「特殊清掃員が全て片付ける」というイメージしますが故人の死後が浅い場合は遺族だけで済ませることも可能です。場合によっては特殊清掃員を呼ばずとも片付けを済ませてしまうこともあります。 また部屋の賃貸の契約、電気、水道、ガス代などその部屋の公共で使用しているサービスの解約手続きも行わなければなりません。
家族がいる場合は家族で遺品整理や形見分けを行う
遺品整理をする際に部屋を片付けるのはなるべく家族が行った方がよろしいでしょう。その時の部屋にもよりますが散らかっているだけでしたら大掃除のように思い出を残すもの処分するものを区別しといた方がよろしいでしょう。悲しさや後悔で手を止めてしまうこともありますがそれよりも大変なこと、他にもやらなければならないことも多いので必ず済ませましょう。 そして遺品整理では形見もあれば残しておいた方がよろしいでしょう。その人の生きた証拠のように残るからです。
孤独死の処理2・亡くなってから日が経っている場合は特殊清掃が必要となる
孤独死で発見が死後かなり経過していると特殊清掃が入ります。発見の際に遺体に損傷が起きていたり腐敗し害虫が出てきたりすると遺品整理だけの部屋の片付けだけでは済まされないこともあります。勿論臭いとかで近所からクレームが来るかもしれないです。 こうなってしまった場合は特殊清掃は必要になっていきます。害虫駆除や遺体の腐敗の臭いの元となった部分の消臭除去や床に染み付いた体液を除去などをしてくれます。その際に特殊清掃専用の薬品を使用して消臭や減菌します。
特殊清掃とは?
特殊清掃は清掃業の一つです。通常の清掃では中々できない部分を清掃するという意味です。 それは「事件や事故、自殺や他殺があった部屋」「孤独死が発生した部屋」の清掃がこの特殊清掃に該当します。 これは死後発見されてから時間が経ってしまうと血や体液が付着したり、遺体が腐敗し臭い害虫が湧いたりします。この異変で孤独死が発覚することが多いとされています。 これらを全て清掃し部屋をまた使えるように原状回復させるのが特殊清掃の主な仕事内容になります。
賃貸の場合は部屋の原状回復するまでの家賃が発生する
部屋が入居前までの原状回復になるのには1ヶ月くらいかかるとされています。それまでの家賃は発生します。 また特殊清掃の際に体液が床に染み込んでいないかの確認で床を開けることもあります。こうなった場合ですと修理代も発生します。 これら支払いは特殊清掃の費用として法定相続人や扶養義務者などに支払いがくることもあります。もし何らかの理由で支払うことができない場合は家庭裁判所に相続放棄の手続きをしなければなりません。
特殊清掃では遺品整理も行ってくれる
特殊清掃では家族に代わって遺品整理も行ってくれます。これは家族が部屋に入るのを拒否していたり故人の持ち物で残すものがよくわからないなどから遺品整理を特殊清掃員に任せることがあります。多くの特殊清掃は遺品整理の業者も兼業している為、料金が安くなります。遺品整理を含めた特殊清掃で安く済ませるのもいいですし、部屋の状態を確認して遺品整理だけを家族で行うというのもありかもしれません。しかし大半は特殊清掃に遺品整理と一緒にお願いすることが多いです。
孤独死の処理や流れに関するよくある質問
家族や親戚などが孤独死したと警察から連絡がきたら、まずは何をすれば良いでしょうか?
まずは連絡を頂いた警察署へ向かいます。そこで遺体の身元確認を行なってください。混乱すると思われますがそこは冷静になってください。そして警察から状況や今後の手続きや指示を行いますので従ってください。 その後住んでいる管理会社や大家との対応に追われます。発見時に腐敗臭が充満し近所にも影響していた場合、速やかに特殊清掃を手配する必要があります。そして発見時に住んでいた大家、その管理会社と今後のことを話したりします。発見時の状況の確認を求められることもあります。部屋の状況とかでは損害賠償の話も出てくるかもしれません。勿論、費用も発生します。その為か相続放棄を検討される人が多いです。 ちなみに相続手続きも同時に頭に入れなければなりません。相続放棄が相続開始から3ヶ月以内にしなければならないので相続放棄を検討しているのであれば速やかに実行に移してください。?
私は身寄りがいないので孤独死したらどうしようと不安です。何か対策はありますか?
ニュースなどで孤独死と聞くと「恐怖」「不安」を抱く方が多いのかもしれません。「孤独に死ぬ」ということなので決していい意味ではありません。それは「死」に対して恐怖を抱いているということでもあります。このような考え方は多数存在していらっしゃいます。 では対策するのにはどうすればいいのか? 対策については様々存在する。人それぞれだと思う。 これはどの世代にも当てはまることだがコミュニティーを広げることだ。コミュニティーを広げることによって相談に乗り易くしている。相手は友人、近所の人、市役所の人など、つまり大袈裟かもしれないが「相談に乗ってくれるのであれば誰でもいい」とのことだ。他にも対策はあるのだが第3者の存在があれば少しでも安心できるのかもしれない。
特殊清掃はとても高いと聞きます。どのくらいの費用がかかりますか?
特殊清掃の費用は部屋の状況、間取り、時間、業者などによって異なります。ですが共通して言えるのであれば「値段は高い」です。大体の最低金額は5万円程度からが特殊清掃の費用とされています。これがオプションなどをつけてくると総額で100万円を超えることもあります。 この特殊清掃の費用が遺族にとって頭を抱える問題の一つでもあります。 ではなぜ高いのか? その一番とされているのは人件費。特殊清掃員は希望者も少ない上に離職率の高い職業となっております。しかし最近になって再び希望者が増えてきました。 更に人件費で一番占めているのは特殊清掃専用薬品の取り扱いです。これらを扱うことで現場にもよりますが作業が複雑になってきます。それらの説明でも人件費が発生し費用も高くなります。
孤独死と孤立死の違いについて教えてください
孤独死と孤立死。ともに誰にも看取られずに亡くなり、死後に発見されることを指しています。パッと見同じような意味合いになりますが実際の意味合いにはこんな違いがあります。 孤独死は誰にも看取られずに一人寂しく亡くなるという意味である。そして死後に発見されることを孤独死と言います。近年話題に挙がっています。「その時に、孤独に死ぬ」とそのままの意味と捉えても良いでしょう。 孤立死は社会から孤立したまま亡くなり、それが死後しばらく放置された状態のことを指しています。つまり家族や友人など社会での交流がない方が亡くなった場合「孤立死」に該当するということになっております。 同じ意味合いを持つ言葉ですがこのように違いが出てきます。
孤独死の処理/葬儀までの流れや費用などまとめ
まず孤独死を確認しますと警察署に呼ばれますので指示に従ってください。その後に部屋の状況確認を大家、管理会社と話してください。部屋の中が汚れているのであれば値段は高くなりますが特殊清掃を呼びましょう。そこまで汚れていなければ家族だけで片付けても問題はありません。その際の特殊清掃にかかる費用のコストも抑えることもできます。 そして葬儀ですが家族がいての葬式であれば一般的な葬儀で問題ありません。トラブルなどには気をつけてください。どのような葬儀にするのかは葬儀会社と話し合ってください。 身寄りがいない、引き取りを拒否された場合、「行旅病人及行旅死亡取扱法」が適用され地方自治体が火葬し、一定期間、保管した後に無縁塚に埋葬されます。保管期間は大体5年程度とされています。?孤独死はいつ、誰にでも起きうるかもしれません。一人暮らしの高齢者がイメージしやすいですが若い方でもそうなることもあります。コミュニティーを広げたり相談したりすることでその不安も和らぐのではないでしょうか。?