【特殊清掃の給料は?】特殊清掃士は儲かる?年収や仕事内容について

目次

勤続年数1〜3年の特殊清掃士の給料について/他業種と比較して高い?

 

勤続年数1~3年の特殊清掃員の年収は300~400万円

特殊清掃員の正社員の勤続年数1〜3年目の給料は年収300〜400万円程度です。

令和元年の時点で全国の平均年収は436万円なので、特殊清掃の正社員の年収は平均より少し低い程度と考えてよいでしょう。

しかし、特殊清掃は他の業種と比べ、勤続年数1年目から年収300万を超えるケースが多く、初年度から稼げる点が魅力です。

勤続年数によって、昇給があり、全国の平均年収を超えるケースもあります。

また、交通費・残業代によっては全国の平均年収以上になる可能性も考えられます。

入社から3年経つとある程度仕事に慣れているため、学歴を問わず、年収350万円程度を目指せます。

また、現場での活躍次第では、年収400万円も目指せる仕事です。

 

勤続年数1~3年の特殊清掃員の月給は25万円ほど

勤続年数1〜3年の特殊清掃の正社員の平均月給は手取り25万円程度になります。

1年目から月給25万円となると、他の業種と比べて、給料はやや高めと考えられます。

例えば、月給25万円を12ヶ月、ボーナスの合計額が月給の2ヶ月分の50万円と想定すると年収は350万円と考えられます。

しかし、1年目から給料が高めな分、仕事内容は体力的・精神的にハードです。

特殊清掃は、腐敗し、体液や血液が染み出て悪臭を放つ遺体のあった部屋を人が住めるようにまで原状復帰しなければなりません。

また、早朝や深夜に呼び出されて作業するケースもあります。

仕事内容を考えると給料が高いとは言えないかもしれませんが、勤続年数が少なく経験が浅くても稼げる仕事と考えてよいでしょう。

 

勤続年数1~3年の特殊清掃員のボーナスは50万円ほど

特殊清掃員の勤続年数1〜3年の特殊清掃員のボーナスは、月給25万円の2ヵ月分、年1回支給で50万ほどとしているケースが多いです。

勤続年数1〜3年に支給されるボーナスとして考えると高額であると考えられます。

令和元年に厚生労働省が調査した内容を確認すると、大学・大学院卒の新卒のボーナスは、年間で平均8.5万円程度というデータが出ています。

データは、ボーナスがまったく出ない企業も含めた統計となっているため、ボーナスが支給される企業のみで統計を取れば、金額は上がります。

しかし、平均と比べてもかなり高額のボーナスが支給されていると考えてよいでしょう。

特殊清掃業者の中にもボーナスの支給がない会社もありますが、一定以上の規模の業者はボーナスが支給されています。

参考:厚生労働省 「令和元年賃金構造基本統計調査」
令和元年賃金構造基本統計調査 結果の概況|厚生労働省

 

勤続年数1~3年の特殊清掃員の時給(バイト)は1,000~1,500円ほど

特殊清掃員のバイトの時給は、1,000〜1,500円ほどです。

特殊清掃のバイトに関しては、業務に対する経験の有無で給料が異なる場合があります。

特殊清掃のバイトは、いつ発生するかわかりません。24時間仕事が来る可能性があります。

そのため、24時間シフト交代制で勤務する必要があり、タフさが求められる仕事です。

特殊清掃の仕事は、誰もがやりたいと思える内容ではありません。

しかし、誰かがやらなければならない、感謝されるとてもやりがいのある仕事です。

また、特殊清掃は、いつ発生するかわからないため、仕事がないケースもあります。

特殊清掃の仕事がない時は、事務所で事務や雑用をこなす場合が多く、肉体的・精神的な負担が少なく済みます。

参考:厚生労働省 「令和3年度地域別最低賃金改定状況厚生労働省
000972054.pdf

 

大卒・新卒の他業種の平均年収は210万円(2022年度)/他業種に比べると特殊清掃士の給料は高い

勤続年収1〜3年目の特殊清掃士の年収は月300〜400万円程度です。

大学卒業後、新卒で入社した場合の他業種の2022年の平均年収は、210万円程度となっており、比較すると平均年収よりも高額であると考えてよいでしょう。

入社1年目から300万円以上がもらえるというのは魅力的です。

離職率も非常に高い仕事でありますが、人から感謝され、社会貢献のできるやりがいのある仕事です。

特殊清掃は、強靭なメンタルを持っている方、体力に自信がある方、命と向き合える方、人のために社会貢献のできる仕事がしたい方に向いている仕事です。

勤続年数によって給料アップが可能な仕事です。知識や技術が身につきます。

新卒から入社し、キャリアアップを目指しましょう。

 

全国のバイトの平均時給は930円(2021年度)/他業種に比べると特殊清掃士の時給は高い

特殊清掃員のバイトの時給は、1,000〜1,500円ほどです。

2021年10月時点での全国のバイトの平均時給は930円です。

他業種に比べると、特殊清掃士のバイトの時給は高いといってよいでしょう。

例えば、時給1,300円で1日8時間、週5日働くと想定(月間20日労働)すると月収208,000円になります。

バイトでも昇給制度を導入している会社もあり、実績や勤続年数によって時給が上がる可能性が高い仕事です。

特殊清掃の業者によって給料や待遇が異なりますのでバイトをする際には、待遇面をしっかりと確認し、考慮して決めると良いでしょう。

特殊清掃のバイトは、他の業種のバイトと比べると稼げるバイトと考えられます。

参考:令和元年賃金構造基本統計調査(初任給)の概況(厚生労働省)

 

 

特殊清掃士の待遇などについて/今後の給料はどうなる?

 

孤独死が増加をはじめた2000年代の特殊清掃士の月給は50~60万円ほどと高給だった

特殊清掃業者の数が増えたことで近年は給料が減っている

近年、特殊清掃士の給料は、以前と比べて下がっています。

孤独死が増え始めた2000年代は特殊清掃という仕事は珍しく、現代ほど一般的ではありませんでした。

孤独死が急激に増加し、特殊清掃の需要は一気に増えましたが、当時は現代ほど、特殊清掃の業者の数は多くないため、利益が集中していました。

また、体力的、精神的にもタフさが求められ、他の方が進んでやりたがるとは言い難い仕事のため、特殊清掃士の給料も月50〜60万ほどと高額でした。

近年は、需要に併せて供給する特殊清掃業者が増加したため、一社あたりの利益が分散される傾向にあります。

そのため、月給25万円程度と2000年代と比べると、金額が大幅に下がっているという現状があります。

 

高齢化の加速や独居世帯の増加で今後は給料が上がると予想される

特殊清掃の給料は、今後は上昇する見込みです。

特殊清掃が必要になるのは、孤独死、自殺、ゴミ屋敷、遺品整理というケースです。

近年、急速に加速する高齢化社会により、独居世帯は増加し、孤独死が起こる可能性は高くなるでしょう。

結婚を選ばない方が増えてきた、また依然として離婚を選ぶ方も多いという現実もあります。

独身や離婚した場合は自然と独居の割合も高くなり、孤独死も増加する可能性が高くなります。

また、自殺の数も増えているというデータもあります。

孤独死が多くなれば、特殊清掃の需要が高まります。

需要が増えることに加え、少子化社会により、働き手が減少するでしょう。

需要の高まりと働き手の減少により特殊清掃を行う特殊清掃士の給料も上がると予想できます。

 

特殊清掃士の待遇1・ボーナスについて

ボーナスの支給がない業者もある

特殊清掃業者によっては、ボーナスが支給されない業者もあるのが現状です。

特殊清掃業者の待遇は、会社によって差があり、ボーナスの支給に関しても同様です。

ボーナスが支給されない特殊清掃会社は、実績が少ないケースが多いです。

特殊清掃業者でボーナスが支給される場合は年1回、50万程度が一般的です。

ボーナスが支給されるのとされないのでは、年収の低下に加え、仕事のモチベーションや生産性にも違いが出る可能性が否定できません。

特殊清掃は肉体的にも精神的にも負担がかかる仕事でもあります。

ボーナスは、仕事をする上での励みとなりますので、ボーナスが出るかどうかは仕事を始める前に必ず確認してから契約するようにしましょう。

 

実績の多い業者はボーナスが出るので事前にしっかりと調べましょう

実績の多い業者は、ボーナスが支給されます。

働く業者を探す際には、特殊清掃の実績が多いか少ないか、ボーナスの支給があるかないかを必ず確認してから仕事を始めるようにしましょう。

厚生労働省は、ボーナスとは、「労働者の勤務実績に応じて支給される賞与」を指し、「支給額が予め確定されていないもの」と定義しています。

正社員だから必ずボーナスが支給されるとは限りません。

同様の仕事内容であっても、実績が少ない業者の場合は、ボーナスが支給されないケースがあります。

ボーナスの支給があるのとないのでは、年収の減少に加え、モチベーションに差が生じます。

特殊清掃という肉体的、精神的に辛い仕事でもあるのでボーナスは確実にもらえるように調べるのを忘れないようにしましょう。

 

特殊清掃士の待遇2・時間外手当、休日出勤、深夜手当など

特殊清掃は365日24時間、いつ呼び出しがあるか分からない

特殊清掃は、求められる状況がさまざまであるため、365日24時間、いつ呼び出しがあるかわからない仕事です。

特殊清掃が必要である事件、事故、孤独死、自殺などはいつ起こるか予測できません。

また、遺体が放置されている現場は、時間が経過するほど、原状回復が困難となります。

特殊清掃に取り掛かるのが早ければ早いほど、原状回復の作業工程が少なく済みます。

依頼する側も可能な限り早く現場の原状回復を望んでいます。

例え、深夜であっても、急に特殊清掃が必要な状況となれば、呼び出されて作業を行う必要があります。

いつでも駆けつけられるようにしておかなければなりません。いつ呼び出されるかわからないという点でもタフさが求められます。

 

特殊清掃士の待遇3・有給休暇、特別休暇

特殊清掃士の在籍が多い業者はしっかりと休暇を確保できる

特殊清掃士の在籍が多い業者は、大人数で対応できるため、休暇がしっかりと取れるというメリットがあります。

特殊清掃士の休日は完全週休2日制、もしくは週休2日制を導入している会社が多いです。

年間休日として考えると、100日〜120日程度で、一般的な会社員と同等の休日があります。

出勤日は、固定、またはシフト制ですので、事前にどちらのパターンで運用しているのか確認しましょう。

シフト制だったとしても土日を中心に休日を設定することも可能であるケースが多いです。

ワークライフバランスの観点から年末年始の休みやリフレッシュ休暇(従業員の疲労回復を目的に休みを取ってもらう休暇)、特別休暇(結婚休暇・産前産後休暇・病気休暇等)が取れる会社も増加しています。

特殊清掃業者の求人募集の内容の福利厚生に、休暇が設定されているか確認しましょう。

 

 

特殊清掃士の給料アップの方法について

片付け業者の選び方

 

給料アップの方法1・事件現場特殊清掃士

事件現場特殊清掃士とは?

給料アップが見込める特殊清掃の資格の1つ目は、事件現場特殊清掃士です。

事件現場特殊清掃士は、「一般社団法人 事件現場特殊清掃センター」という機関が発行している資格です。

特殊清掃は、資格がなければできない仕事ではありません。

しかし、資格を持っていると知識があるという証明にもなり、給料アップが見込めます。

 

【資格取得方法】

申し込み
資格を取得するにあたって、必要な条件はありません。

「一般社団法人 事件現場特殊清掃センター」の公式ページにある申し込みフォームから、申し込みします。

入会金の支払い、教材を受け取り、受講が開始されます。
入会金:25,000円
会費:5,000円(有効期間:2年)

教材が到着します。(教本・資料集・問題集・DVD)

課題の提出
届いた教材で学習を行ったら問題集を解きます。
「事件現場特殊清掃センター」へ郵送またはWEBで回答を提出します。

合格判定
提出した回答が合格の基準を満たしていれば、センターから資格認定をしてもらうことができます。

その後「事件現場特殊清掃士認定証書」と「認定カード」を受け取り、これ以降の活動を行う際に認定証を利用できます。

 

給料アップの方法2・遺品整理士

遺品整理士とは?

遺品整理士とは、「一般社団法人遺品整理士認定協会」が認定する資格です。

遺品整理士になるためには、遺族から依頼された遺品整理を業務として遂行するため、遵守すべき法律について学ぶ事だけでなく遺品整理は「故人に対する供養である」 との概念のもと、これまで故人が大切にしていた物の扱いをし、心を込めて、そして遺族に寄り添った遺品整理士になるための資格です。

【資格取得方法】
申し込み
電話または郵送にて申し込みます。
申し込み資格はありません。

受講料を支払う
受講料: 25,000円
手続き費用:7,000円(令和5年2月6日現在)(有効期間:2年)

教材が到着します。(教本・資料集・問題集・DVD)

課題レポートを提出します。(郵送または)

合格通知(約2ヵ月ほどかかります)

認定証が発行されます。

課題レポートの内容は、法令を順守した廃棄物処理の知識やその他業務に関わる様々な法令だけでなく 故人の魂が宿った遺品をまごころ込めて扱うための心構え等です。

今後、高齢化社会の訪れにより、ますます需要が高まる遺品整理士の将来は無限に広がります。

将来性のある資格といってよいでしょう。

 

特殊清掃の現場では遺品整理のニーズが高い(遺族で遺品整理をするのは技術的、精神的に難しい)

特殊清掃の現場では、並行して遺品整理を依頼する方が多いです。

特殊清掃の現場では、物が何もないという部屋以外は、遺品整理が必要となるケースがほとんどです。

遺族の中には、故人の思い出の詰まった遺品を自分たちの手で整理したいと考える方もいます。

しかし、実際に遺族が遺品整理を行うのは、厳しいという現実があります。

孤独死の場合等は、遺体から染み出た体液や血液といった汚れや悪臭が遺品にまで染みついている可能性が高いです。

汚れや悪臭は、通常の清掃では取り除けません。

また、遺品の量が多い等、体力的、精神的にも負担が大きいです。

特殊清掃であれば、故人の大切な遺品と不用品を的確に判別し、整理できます。染みついてしまった汚れや悪臭を専用の機器や薬剤を用いてきれいにするので遺品をきれいな形で残すことができます。

 

給料アップの方法3・消臭マイスター

消臭マイスターとは?

脱臭マイスターは、「一般社団法人日本除菌脱臭サービス協会」が発行する資格です。

脱臭マイスターは、事件現場投手清掃士や遺品整理士とは異なり、特殊清掃の資格ではなく、脱臭に特化した資格という意味合いが強いのが特徴です。

脱臭は特殊清掃の現場のみならず、ホテルや医療、介護施設や飲食業界等でも必要とされている作業です。

【資格取得方法】
脱臭マイスターの資格取得にかかる費用は、一般社団法人日本除菌脱臭サービス協会会員であれば、30,000円、会員以外の一般は50,000円で取得できます。

料金を支払って1日、もしくは2日間に渡る講義を聞くことで取得することが出来ます。

特殊清掃の資格の難易度としては高くありませんので取得しやすい資格です。

 

特殊清掃の現場では死臭や悪臭を完全に除去する技術が求められる

特殊清掃の現場では、腐敗した遺体から発生する死臭やゴミ屋敷、ペット屋敷等から発生する強烈な悪臭を完全に取り除き、人が住める状態に原状復帰させなければなりません。

死臭や悪臭は、通常の消臭やハウスクリーニングでは取り除けません。

特殊清掃では、死臭(腐敗臭)にも対応する業務用の薬剤を使用します。

また、オゾン脱臭器という匂いの分子をオゾンの力で分解して無臭化させる専門の機材を用いて臭いを完全に消し去ります。

消臭マイスターは、オゾンショックトリートメント法(「日本除菌脱臭サービス協会」によって策定された、「オゾンを用いた強力脱臭法」)を始めとした、専門知識が必要とされる消臭方法を講義と実習で学び、身に付けられる特殊清掃に役立てられる注目の資格です。

 

給料アップの方法4・中型免許

遺品や不用品の搬出などで中型免許は重宝される

持っていると優遇される資格が中型免許です。

そもそも特殊清掃の現場は、公共の機関を使うと周囲に迷惑がかかる可能性があるため、ほぼ自動車で向かいます。普通自動車免許は、絶対に必要な資格です。

普通自動車免許でも軽量トラックや車両総重量3.5トン、最大積載量2.0トン未満までのk小型トラックは運転可能です。

プラスアルファとして中型免許も持っていると優遇され、給料アップが見込めます。

特殊清掃の後の遺品整理をする際には、大きな荷物や大量に荷物を運び出す必要があります。

大きな荷物や大量の荷物を運び出す場合には、2トンや3トンのトラックを使用します。

中型免許を持っていることで、即戦力として活躍でき、重宝されます。

中型免許を取得している清掃士が少ないと給料面での優遇が期待できます。取得しておくとよいでしょう。

 

 

特殊清掃士の給料相場や給料アップの方法などまとめ

以上、特殊清掃士の給料相場や給料アップの方法を説明しました。

特殊清掃は、正社員の場合は、1〜3年の全職種の給料平均よりも少し少ない位の給料ですが、経験や実績により昇給が見込まれる仕事です。

アルバイトでは、平均よりも高い給料が支給されます。

近年は、特殊清掃業者の増加に伴い、2000年代よりも給料が下がっているという現実がありますが、今後も高齢化社会が進み、孤独死は増加すると考えられます。

特殊清掃のニーズは増え続けるでしょう。

少子化により、働き手の減少が考えられ、特殊清掃士の給料は再度、増えると予想されます。

給料アップをするためには、特殊清掃に役立つ資格の取得が効果的です。

資格取得は、必須ではありませんが、持っていると知識があるという証明にもなります。

「事件現場特殊清掃士」、「遺品整理士」、「消臭マイスター」、「中型免許」という特殊清掃に役立つ資格を取得し、給料アップへと繋げましょう。

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